シミがつきました(食べ物など)

個別のシミや汚れをそれぞれにあった方法で取り除きます。
  • 油や樹脂の汚れは有機溶剤を、食べ物や汗などは水と洗剤を使って落としますが、両方混じったシミもたくさんあります。
  • 頑固に繊維とくっついているシミは化学的に分解して落とします。
  •  
  • シミの持っている色素が残ったり時間の経過と共に黄色く変色したものは、漂白剤を用いて白くします。その時に地色や柄色も抜けることがありますが、染料で元の色や柄に補正します。

付着物による黄変シミ

黄変シミ

上前黄変−1
上前黄変
食べこぼしたものなどが時間の経過と共に黄変したシミ。少し外側にきわづきが見られますがこちらは変色していません。
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上前黄変
黄変シミを脱色すると、地色も脱色されることがあります。
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上前黄変
染料で元の色に補正しました。
衿先下の立妻とおくみ付けを一部解いています。
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上前黄変−2
上前(クリーム)
二つの花の間と袷に黄変シミがあります。
上前(クリーム)
黄変シミを取り除くと地色も脱色します。
上前(クリーム)
染料で元の色に補正しました。

帯の金銀糸の中が黄変しています。
拡大してみると金銀糸は変色していませんので、黄変処理剤が金銀糸に影響のない場合は黄変部分を脱色することがきます。

泥大島打合い

泥大島打合い
泥大島の着物から色移りしたもの。
泥大島打合い
色移りを落とした後、染料で元の色に補正しました。

泥大島は、テーチ木から抽出した液で下染めしたものを、田んぼの泥に含まれている鉄分を触媒として黒く染める技法で、 独特の色合いがでますが摩擦堅牢度の弱さがあります。そのため帯や上前帯下あたりの胴裏に色が付いたものがよく持ち込まれることがあります。 リグロインやベンジンなどの溶剤でも色素が溶け出すことがあり、これが裏地に付くと取れにくく、残ることがあります。
  

筆記具

ボールペンやサインペン、水性や油性など用途に応じてたくさんの種類がありますが、それぞれ落とし方が異なります。   

化粧品

主なものは、口紅とファンデーションですが、毛染めの染料も衿に色移りする事があります。
化粧品
衿に付いたヘアカラーを、水を付けてこすった為にスレが出来たもの。
化粧品
水ぎわの処理をしていないので、きわ付きも出来ています。水型を取ってヘアカラーを落としたところ。
化粧品
スレを直して元のようになりました。衿付けを一部解いています。
  

泥はね

最近は土ぼこりだけでなく、自転車や自動車のタイヤのゴム、アスファルトや車からの油分などが含まれていて、乾燥した時の色がネズミ色から黒い色に変わってきています。
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